2011年1月12日水曜日

リズムは形

あらゆるものに形があるように、
あらゆるものにリズムがある。

赤ん坊の笑いのなかに
葬列の足取りに
バラの花びら
子犬の駆けあし
焼きたてのパンの匂いにワインの味
感情の起伏、涙のなかに

物から心へ 心から物へ
響き合うのはリズム。
リズムは形。形だから美しい。

たとえばこんな無声映画——
こわばった女の足取り、
ためいき、それからぼおっとマッチが灯り、
車のライトが通り過ぎる、
そして、うなずく男の影……。

いったい女と男のあいだになにがあったのか?
わからない。わからないが、
そこにリズムがあり、
形があったから、
光と影が 時の推移が
ボクの心にある響きを伝えて消えた。

そういえば、
あの日東京の街灯に揺れていた
あなたの瞳も唇も
光と影だった。時の推移だった。

あのときあなたは戸惑ってた? 傷ついてた?
それとも怒りのあまり震えが止まらなかった?

わからない。わからないが、
ふるえるあなたの、
リズムは形。形だから美しかった。
壊れそうに美しかった。

冬空の下で、
木にかじりついて光ってる
氷の結晶のようだった。

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